2017.07.05

『MRIについて』

『MRIについて』

色素と同様にお問い合わせが急増しる医療アートメイクが及ぼすMRIへの影響。国内で医療アートメイクについて多くの検証と学会発表をされているアートメイクメディカルセンター 冨田医師の記事を共有させて頂きたいと思います。

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こんにちは。
乳房再建外科医 冨田祥一です。

本日は、安全性に関する知識をお話しします。
色素に金属が含まれているけど、MRIを撮ってもいいか?
多くの方が疑問に思われると思います。
MRIメーカーに問い合わせたところ、ダメとの回答でした。
有害事象が起こっても補償は出来ないとのことです。
あくまでも各病院、主治医の判断に委ねとのことでした。

では金属が含まれているとなぜ、MRIで問題となるのでしょうか?
MRIが人体に及ぼす影響は①.静磁場、②.傾斜磁場、③.RFパルスです。
静磁場は磁力によって引きつける力で、T(テスラ)で表されます。
その影響は磁性体の質量の二乗に比例します。つまり同じ物質でも、
重いものほど強い力で引きつけられます。
2014年の形成外科基礎学会で報告しましたが、
アートメイク後の質量増加を電子天秤で計測したところ、
アートメイクによって入る金属量は、
乳輪乳頭全体に施したとしても1gに遠く及ばない、
ごくわずかな量であることが分かりました。
静磁場の影響はほとんどないと言っていいと考えられます。

最も問題とされていることは、MRI検査中の発熱です。
傾斜磁場、RFパルスによって電磁誘導が起こり、誘導電流が生じます。
これが原因となった熱傷が危惧されています。
このうち傾斜磁場によって生じる誘導電流はRFパルスによるものに比べると
軽微なため、RFパルスが主な要因となります。
RFパルスとはMRIやNMR(核磁気共鳴)において、
静磁場に垂直な方向に照射する電磁波のことです。
RFパルスによってNMRの元となる信号を得るメカニズムは長くなるので、
ここでは割愛致します。

大切なのは、MRIではRFパルスを当てると言うこと、
そしてそれによって熱を生じる可能性があるということです。
もちろんこれに対して厚労省は厳しい規制を定めており、
臨床ではある一定の強さのRFパルスしか用いることができません。
つまり、生じる熱量は少ないと考えられます。
これまでMRI中の熱傷の報告は、いずれも海外の報告で、刺青が7件、
アートメイクは6件とわずかです。
この中で水疱を生じる2度熱傷を来した症例は1件のみで、
多くは軽度の発赤を認めるにとどまりました。
またアートメイクはいずれもアイラインへ行ったものでした。
(冨田祥一 形成外科 58(5) 549-554: 2015)
眉毛、白斑、乳輪乳頭部へのアートメイクで熱傷を来した報告はありません。
色素の成分か、その形状か、原因のさらなる検証が必要ですが、
熱傷の発生頻度は非常に低いと言えます。
アートメイクメディカルセンターでは、科学的データに基づいてアートメイク、
パラメディカルピグメンテーショの施術を行っております。
技術力はもとより、疾患をお持ちの方患者様への施術も症例数が多く、
他院でお断りされてしまった場合も一度ご相談ください。

正しい知識と正しい技術を持って、安全にアートメイクを行いましょう。

アートメイクメディカルセンターHPより引用

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