2016.02.15

乳房再建保険適用について

乳癌後の乳房再建保険適用について
乳癌の治療後の乳房再建術が一部健康保険が適用となりました。
現在、形成外科で取りあつかう健康保険が適用されるのは、乳房再建術、乳輪乳頭再建術です。
豊胸術、下垂乳房、下垂乳頭、乳房縮小術などは健康保険の適用外で自由診療となります。
乳房再建術
自家組織移植(皮弁移植術) (保険診療)
失った乳房を自分のからだの組織(自家組織)を用いて再建する方法です。移植する場所は、「お腹」や「背中」を主に用いるのが一般的です。
メリット
・自分の組織なので安心出来る
・自然な形を再現する事が出来る
・人口に比べて動きのある乳房を作る事が出来、仰向きになっても不自然な形にならない。
・一度手術を受けたら、メインテナンス不要(年齢と共に垂れてくる)
・健康保険が適用
デメリット
・手術時間、入院が長い
・比較的長い傷跡が残りやすい
・認定施設でしか治療が受けられない
・移植したものが腐ってしまったり、生着しなかったりすることがある。
・移植した組織と色合いに差が出ることがある
手術が大変でも、自分の組織にこだわり、綺麗な仕上がりを希望する人に適した方法と言えます。
自家組織での再建方法には遊離皮弁移植(血管吻合を必要なもの)と有茎皮弁移植(血管吻合を必要としないもの)に分かれます。
お腹の組織移植する場合は遊離皮弁移植、背中の組織を移植する場は有茎皮弁移植となります。
健康保険が適用され3割負担の場合30-60万円となります。高額医療費の払い戻し制度を申請すると、実質負担額は8~10万円程度となります。
妊娠を考えている方は、お腹の組織を用いた手術が出来ません。背中の組織を使用する方法や人工物での再建となります。
人工物による乳房再建術 (保険診療)
失った乳房を、人工物を用いて再建する方法です。比較的手軽に乳房を再建したい人には良い方法です。健康保険の適用があります。
メリット
・患部以外の傷痕が残らない
・手術時間や入院期間は比較的短い
・健康保険が適用
デメリット
・2回以上の手術が必要
・1回目の手術後、組織拡張のため何度も通院が必要
・自家組織と違い形が不自然
・長期的な安全性は不明な点もあり入れ替えの可能性も出てくる
・年齢に伴い垂れてくる形が出ないため年数が経つと左右差が出てくる
・感染のリスクがある
・放射線治療を受けた方や受ける予定の方は合併症のリスクが高くなる
ティッシュエキスパンダー(組織拡張器)で膨らませた後に自家組織移植に切り替えることもできます。また色の差は無くなり綺麗な仕上がりになります。
健康保険が適用され3割負担方で、ティッシュエキスパンダー挿入術の場合10-20万円程、シリコンインプラント挿入術の場合は30万円程となります。高額医療費の払い戻し制度を申請すると、実質負 担額は8~10万円程度となります。
自家脂肪注入による乳房再建術(自由診療)
自家組織である自分の脂肪を脂肪吸引し、患側の失った乳房に注入していき乳房の膨らみを作ります。複数回の脂肪吸引と脂肪注入を繰り返して乳房を再建します。
メリット
・手軽な方法で自家組織での乳房再建が出来る
・気になる部分の脂肪を減らすことができる
デメリット
・大きな乳房の再建が出来ない
・痩せている人は、採取する脂肪が少ないため出来ない
・注入した脂肪が再発検査時、再発との見分けが難しい
・複数回の手術が必要で注入脂肪はある程度吸収されるために定着しないこともある
・健康保険が適用されず、自由診療となる
生着率を上げるため、注入脂肪の注入前処理、注入法、術後安静が必要。
注入部分の前処理としてBrava®(体外式組織拡張期)などを用いて移植部位の膨らみが出るようにします。
乳輪乳頭再建術
乳癌の手術で乳輪・乳頭も切除した場合は、乳房再建から半年
以上経過してから、乳輪乳頭の再建を行うことができます。自家組織による乳輪乳頭再建術は健康保険の適用となります。
⚫️乳頭の再建
1.反対側の乳頭を移植する方法 (保険診療)
切除していない側の乳頭の大きさが十分な場合、乳頭を一部切除して、切除して失われた側の乳頭に移植します。
メリット
・色合いが左右そろうので仕上がりが自然。
・自家組織という安心感
健康保険が適用される。(手術費用は3万円前後)
デメリット
・正常な乳頭に傷がつく(今後授乳を考えている場合は出来ない)
・低い確率ですが脱落する可能性もある
・乳頭が大きい人でないと出来ない
2.局所皮弁によって乳頭を作る方法 (保険診療)
患側の乳頭周囲の皮膚を切開して持ち挙げ折りたたんで乳頭の膨らみを作ります。正常な片方の乳頭が小さい時や、今後授乳を考えている場合は出来ません
メリット
・正常な乳頭だけで乳頭が再建できる。(今後授乳を考えている場合でも正常な乳頭を傷つけずに手術ができる)
・自家組織という安心感
正常な乳頭が小さい人でも出来る
デメリット
・乳房の皮膚で作る乳頭なので、従来の乳頭の色ではない。(再建後に、パラメディカルピグメンテーション(医療用タトゥー) などで色素を入れるなどの施術が必要。
⚫️乳輪の再建
1.皮膚移植による乳輪を作る方法 (保険診療)
大腿の内側や外陰唇の部の比較的色素沈着を持つ皮膚を採取して患側の乳輪部分に移植します。
メリット
・生着すると手入れが要らない
・健康保険が適用。(手術費用は3万円前後)
デメリット
・皮膚の採取部位に傷が残る
・移植組織の色合いが健側と異なる場合がある
・再建乳輪と乳房の皮膚の境界がはっきりし過ぎる可能性がある
2.パラメディカルピグメンテーション(医療用タトゥー) (自由診療)
特殊な方法で傷をつけそこから乳輪を着色することで再建を行う方法です。
また、乳頭がなくてもあるように色で入れる事(3D技術)が可能です。
メリット
・比較的手軽に受けることができる
・乳輪と乳房皮膚との移行部のぼやけ具合が表現しやすい
・年齢とともに乳輪色素が薄くなる色変化にも対応出来自然である。
デメリット
・何年か経つと色褪せ左右差が出ることがあり追加が必要となる事がある
・健康保険が適用されない
Bio-Touch Japanでは、乳房再建が全て保険適用になるよう働きかけを行っております。
それまでは、乳輪・乳頭カモフラージュについては自費となります。東京本校である渋谷の森クリニック、横浜校のLUNAメディカルビューティーセンター、新橋いけだクリニックのカウンセリングは、無料ですのでまずはそちらからご相談頂ければと思います。

BioTouch Japanでは、医療従事者(医師・看護師・准看護師)のためのアートメイク・パラメディカル技術資格習得のためのスクールを開催しております。日本国内はもとより世界40か国のネットワークで常に最新の情報を提供しています。国内外においてアートメイクの正しい普及のため、医師並びに看護師をインストラクターに育て上げ、コンプライアンス重視の姿勢で指導に当っております。スクーリングについて詳しい資料をご希望の方はこちらへ!

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